役立ち情報コラム
2025.9.3
インタビューや対談の写真撮影のコツとは?画角やライティングの設置方法を解説

インタビューや対談記事において、写真は記事の印象を大きく左右する重要な要素です。読者の興味を引き、インタビュイーの人柄や雰囲気を伝える写真があることで、記事全体の説得力が格段に向上します。
しかし、プロフェッショナルな仕上がりの写真を撮影するには、カメラの設定、ライティングの配置、構図の決定など、多くの技術的な知識が必要になります。
本記事では、対談写真撮影の基本的なテクニックから、画角の工夫、照明機材の使い方まで、実践的なノウハウを詳しく解説します。
必要な機材や撮影時の注意点も含めて紹介するため、自社での撮影を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX / 目次
インタビューや対談で写真撮影が必要な理由とは?
インタビュー記事において写真は、単なる添え物ではありません。文章のクオリティと同じくらい重要な要素です。視覚的な印象は読者の信頼と共感に深く関わります。
対談やインタビューの内容がいかに素晴らしくても、暗くて表情の見えない写真や、ピントが合っていないカットが使われていると、読者はページを閉じてしまいかねません。
例えば、Web記事では、冒頭に配置されるサムネイルやアイキャッチ写真が読者のクリック率や滞在時間に直結します。視線を集め、読み進めたいと思わせる写真があることで、読了率も高まるでしょう。
また、ビジュアルはそのままブランドイメージにもつながります。採用広報での対談記事なら、働く社員の表情や雰囲気が写真に映ることで、企業文化や価値観を視覚的に伝えられるでしょう。
撮影前の事前準備

インタビューや対談の写真撮影では、当日のスムーズな進行と高品質な写真を実現するために、事前準備が欠かせません。ここでは、撮影前に押さえておくべきポイントを解説します。
どのような写真が必要なのか明確にする
撮影前に「どんな用途で写真を使うのか」「どんな雰囲気を演出したいのか」を整理することが大切です。例えば、オウンドメディアでの対談記事用であれば、バストアップの自然な構図や、話している様子を写したカットが必要になるでしょう。
一方、採用や広報目的なら、ポーズを決めたプロフィール写真や背景に社内の雰囲気が伝わる構成が望ましいかもしれません。
掲載媒体がWebか紙かによっても求められるサイズや画質が異なるため、あらかじめ用途を明確にし、それに合わせたカットリストを用意することで、当日の撮影が効率的かつ漏れなく進められます。
インタビュー・対談場所のロケハンを行う
撮影場所は写真の印象を左右するうえで重要です。事前にロケハン(下見)を行うことで、明るさ・広さ・背景の状態などを確認し、最適な撮影位置や構図をイメージすることができます。例えば、白い壁や木目の背景は人物が引き立ちやすく、記事全体の印象もやわらかくなります。
また、自然光がどの時間帯にどのように入るかを確認しておくことで、ライティングの補助にもなります。外光の変化や音の入りやすさといった細かな点もチェックし、当日慌てないように準備を整えることが大切です。
写真の構図を想定しておく
構図は写真の印象を大きく左右します。事前に「どのようなアングルで、どのタイミングで撮るか」を想定しておくことで、撮影時にスムーズな判断ができます。
例えば、斜め上から俯瞰する構図は落ち着いた印象を与え、逆に下からあおる構図は力強さや存在感を強調できます。会話中の手の動きや視線の方向なども構図に取り入れると、より臨場感のある写真になります。
【画角】インタビュー写真を上手に撮影するコツ
写真の「画角」=カメラの構図やアングルは、印象を大きく左右します。以下では、読者にとって魅力的なビジュアルを撮るための基本的なコツを解説します。
【画角】インタビュー写真を上手く撮影するコツ
目線をあえて外す
インタビュー写真では、カメラ目線を避けて目線を少し外すことで、自然で落ち着いた印象を演出できます。対談中に相手へ視線を向けている姿は「会話の流れ」や「人物同士の関係性」を伝える効果があり、読者が記事の世界に入り込みやすくなるでしょう。
真正面から見据えるカットもインパクトがありますが、全カットでそれを使うと硬い印象になりがちです。あえて目線を外したカットを織り交ぜることで、バリエーションのある画角が生まれます。
窓から自然光を取り入れる
撮影の雰囲気をやわらかく、温かい印象に仕上げたい場合は、自然光の利用が非常に有効です。特に、窓から差し込む光をうまく活用すれば、ライティング機材を使わずともプロ品質のような写真を撮影できるでしょう。
被写体に対して斜めから自然光を当てると、立体感や陰影がつき、顔の表情も魅力的に写ります。窓際を選ぶ際は、直射日光が強すぎる時間帯を避け、やわらかく回り込むような光が入る方角やタイミングを見極めることが重要です。
手元をアップにする
話し手の手元を撮影するカットは、記事に動きや温度感を加える大切な手法の一つです。特に、対談中に手を動かして話している様子を写すことで、会話に熱がこもっていることや、話者の人柄が伝わりやすくなります。
こうしたカットは単体で使うよりも、バストアップや全体構図と組み合わせて、記事の合間に挿入するのがおすすめです。
また、手元の写真はアイキャッチやアイソレーションカットとしても使いやすく、記事全体の視覚的リズムを作るのに役立ちます。
下からあおる形にする
被写体を下からあおるように撮影する構図は、人物に力強さや迫力を与えたいときに効果的です。特に経営者インタビューや専門家の対談などで語る重みを強調したい場面に向いています。
下からのアングルでは顔が大きく、背景が広く見えるため、周囲の空間も含めたダイナミックな印象を演出できます。
ただし、下から撮ると顔やあごのラインが強調されすぎたり、鼻の穴が写ってしまったりすることがあるため、角度の調整が重要です。レンズの焦点距離や被写体との距離感にも注意し、威圧的にならない程度のあおりで止めることがポイントです。
斜め上からおろす形にする
斜め上から見下ろすような構図は、やわらかさや親しみやすさを与える写真に最適です。やや俯瞰した角度で人物を撮影すると、緊張感が薄れ、リラックスした印象に仕上がります。
特に若手社員のインタビューやカジュアルな対談記事など、フレンドリーな雰囲気を出したい場合に有効です。また、上からのアングルは背景に床面やテーブルが映り込みやすく、環境の情報も自然に取り込めます。
注意点として、カメラを高く構えすぎると顔が小さくなり、のけぞった不自然な姿勢になってしまいかねません。被写体の目線を外し、自然に会話している姿を少し上から切り取る程度にすれば、バランスが良くなります。
インタビュー・対談のライティングの設置方法
照明の設置は、撮影の仕上がりを大きく左右する要素です。ここでは、光の種類に応じたライティング方法を紹介します。
インタビュー・対談のライティングの設置方法
自然光のみ
自然光のみを使った撮影は、やわらかくナチュラルな印象を出したい場合に非常に効果的です。特にインタビューや対談といった“人柄”を伝える場面では、人工的なライトよりも、自然な明るさの中での撮影が好まれます。窓から入る光を利用する場合は、午前中〜正午前後のやわらかい光が理想です。
逆に直射日光が強く入りすぎる午後や西日が差す時間帯は、影が濃く出たり、顔が白飛びしてしまったりするリスクもあるため注意が必要です。
レースカーテンや薄い白い布を使って光を拡散させることで、光をやわらかくコントロールできます。自然光を活かすには、天候にも左右されるため、可能であれば晴れの日を狙ってスケジュールを組みましょう。
自然光+クリップオンストロボ
自然光だけでは光量が足りない、または顔に陰影がつきすぎるという場合は、クリップオンストロボを併用することでバランスの良い照明効果を得られます。これはカメラの上に装着できる小型の外付けフラッシュで、補助的なライティングとして非常に便利です。
直接人物に当てるのではなく、天井や壁にバウンスさせて光を回すと、やわらかい拡散光となって自然な仕上がりになります。特に逆光や窓側の明暗差が激しい環境では、この方法が非常に有効です。撮影対象の顔や髪、背景との明度差を和らげ、プロらしい立体感のある写真に仕上がります。
外部ストロボのみ
自然光がほとんど入らない場所や、夜間・オフィスの会議室などでの撮影には、外部ストロボのみでのライティングが効果的です。大型のモノブロックストロボやバッテリー駆動のワイヤレスストロボなどを使用することで、光の方向や強さを自由にコントロールできます。
基本は、1灯をキーライトとして顔の正面やや斜め上から当て、必要に応じてレフ板やもう1灯で影を補うことで、自然で明るい印象に整えられます。
ただし、ストロボを使う場合、硬い光になりがちです。ディフューザーやソフトボックスなどで光を拡散させて、人物の表情や肌の質感をやわらかく見せましょう。
インタビュー写真撮影のカメラ設定
写真のクオリティを大きく左右するのがカメラの基本設定です。ここでは、撮影時に意識しておくべき主要な項目を紹介します。
インタビュー写真撮影のカメラ設定
絞り
「絞り(F値)」は、写真の明るさと背景のぼけ具合を決める大事な設定です。F値が小さいと背景が大きくぼけ、被写体が際立ちやすくなります。
インタビュー写真では、人物にフォーカスを当てて背景をやわらかくぼかすことで、落ち着いた印象やプロっぽい仕上がりにできます。例えば、F2.8やF4.0は、ポートレート撮影でよく使われる値です。
ただし、ぼかしすぎると前後の表情が見えにくくなる場合もあるため、対談のような複数人構図ではF5.6〜F8.0程度で奥行きのあるピント調整を行うとバランスが良くなります。使用するレンズの性能も加味しながら、構図とシーンに合わせた調整が大切です。
ズーム
ズームは画角の調整に使われ、構図の印象を左右する重要なポイントです。ズームを引いて撮ることで空間の余白を活かした写真になり、被写体と周囲の関係性も伝えやすくなります。一方、ズームを寄せると背景を圧縮して、人物を強調したポートレート的な印象を作り出せます。
対談やインタビューでは、同じ場所でもズームの仕方で雰囲気が大きく変わるため、複数の焦点距離で撮り分けておくと記事全体で使える写真の幅が広がります。
また、ズーム機能に頼りすぎず、物理的に近づいて撮影することで、より自然な遠近感や表情が捉えられるケースも多いため、臨機応変な判断が大切です。
シャッタースピード
シャッタースピードは、被写体の動きやブレを防ぐために調整が必要な項目です。対談やインタビューでは、被写体が静止している場面が多いものの、会話中の手振りや顔の動きが写る瞬間もあります。
そのため、1/100秒〜1/250秒程度を基準に設定すると、自然な動作をブレなく撮影しやすくなります。
明るい環境であれば速めのスピードでも問題ありませんが、屋内や暗い場面ではシャッタースピードを落とす代わりにISO感度や絞りでバランスを取ることも考慮しましょう。手ブレが起きないよう三脚の使用やボディ内手ブレ補正機能の活用も有効です。
露出補正とホワイトバランス
露出補正は写真全体の明るさを調整する機能で、特に逆光や室内照明の影響を受けやすいインタビュー撮影では重宝します。少し明るめに設定することで、顔の表情がはっきり映りやすくなり、読者にも安心感を与えられます。
通常の自動露出では背景に引っ張られて暗く写ることがあるため、+0.3〜+1.0程度の補正が有効です。また、ホワイトバランスは写真の色味に直結します。
自然光なら「晴天」、蛍光灯下では「蛍光灯モード」など、環境に応じて選ぶことで肌の色味や背景の雰囲気が崩れません。
写真撮影で使う主な機材とは?

高品質なインタビュー写真を撮影するためには、カメラ本体以外にもさまざまな機材の準備が重要です。ここでは実際の撮影で使用される主なアイテムを紹介します。
写真撮影で使う主な機材とは?
一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ
本格的な写真を撮るには、スマートフォンよりも一眼レフやミラーレスカメラの方が圧倒的に有利です。特に背景をぼかしたり、光の微調整を行ったりするためにはマニュアル設定ができるカメラが必要不可欠です。
最近は軽量かつ高性能なミラーレスカメラが人気で、人物撮影に適した機種も多く登場しています。初心者には自動モードを搭載したエントリーモデルがおすすめですが、ある程度撮影に慣れてきたら、絞り優先モードなどで画作りを意識した設定ができる機材を選びたいところです。
レンズ類
レンズは写真の「表情」を決める重要な機材です。ポートレート撮影においては、焦点距離50mm〜85mm前後の単焦点レンズが使われることが多く、背景が美しくぼけ、被写体が際立つ画作りが可能です。
標準ズームレンズ(24-70mmなど)であれば、画角の調整も容易で、1本で幅広い構図に対応できます。対談のような複数人を同時に写すシーンでは広角レンズ(例:24mm)も便利ですが、極端な広角は顔が歪むこともあるため注意が必要です。
三脚
三脚は手ブレ防止のためだけでなく、構図を安定させてじっくり撮影するためにも欠かせないアイテムです。インタビュー撮影では、被写体の動きが比較的少ないため、三脚を使用して角度を固定し、撮影に集中できる環境を整えるのが理想的です。
また、同じ構図で複数枚撮る必要がある場合や、ライティングをテストする際にも役立ちます。
高さや角度が自在に調整できるモデルを選ぶことで、撮影ポジションの自由度が広がります。コンパクトながら安定感のある中型三脚であれば、持ち運びやすさと性能のバランスが取れるため、対談撮影にも適しています。
ライティング機材
ライティングは写真全体の印象を左右する最大の要素の一つです。自然光だけでは光量が足りない場面や、コントラストをコントロールしたい場合は、照明機材を使って理想の明るさを実現する必要があります。
基本的なセットとしては、ソフトボックス付きの定常光ライトやストロボ、レフ板などが挙げられます。特に定常光ライトは光の当たり方をリアルタイムで確認できるため、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
PC
現場での撮影結果をすぐに確認しながら作業を進めたい場合は、PCの使用が便利です。撮影した写真をカメラとPCを接続して即時表示する「テザー撮影」によって、ブレやピント、構図のズレなどをその場でチェックできます。
特に対談記事用の写真は一度限りの撮影チャンスが多いため、取り直しが効かないケースもあるでしょう。リアルタイムで確認しながら進行できる体制を整えておくことで、安心して撮影に集中できます。
また、露出やホワイトバランスの違いなども、PC上の大きな画面で見ることでより正確に判断できるでしょう。
インタビュー写真撮影の注意点
ここでは、撮影当日になってから慌てることのないように、事前に押さえておきたい注意点をまとめました。
インタビュー写真撮影の注意点
撮影枚数を確保しておく
インタビューや対談の写真は、一発撮りではなく、複数枚の中からベストショットを選ぶ前提で撮影するのが基本です。目をつぶってしまったり、話の途中で中途半端な表情になってしまったりする場面も多く、1カットに対して3〜5枚以上は撮っておくことが望ましいでしょう。
特に自然光での撮影では、光の加減によって同じ構図でも印象が大きく変わるため、シャッターを多めに切ることで選択肢を確保できます。
また、使用目的によって縦位置・横位置のバリエーションを持っておくと、Web記事や印刷物などさまざまなフォーマットに対応しやすくなるでしょう。
洋服と背景色の組み合わせを検討しておく
写真の印象に大きく影響するのが、被写体の服装と背景のバランスです。例えば、白い壁の前で白いシャツを着てしまうと、人物が背景に埋もれてしまい、輪郭が不明瞭になります。
逆に背景が暗めなら、明るいトーンの服を選ぶことで主役感が際立ちます。事前に撮影場所が決まっている場合は、ロケハン写真をもとに服装のアドバイスをしておくと安心です。
背景と被写体の色がかぶらないようにするだけで、写真の見映えが大きく変わります。また、ストライプや細かい柄物はモアレと呼ばれる模様のにじみが発生することもあるため、無地かシンプルなデザインの服装をおすすめします。
自然光が入る時間を計算しておく
自然光を活用した撮影を予定している場合、時間帯による光の変化は必ず計算に入れておきましょう。午前と午後では光の向きや強さが変わり、同じ構図でも全く違った印象になることがあります。
特に南向きの窓がある会議室などでは、昼前後にやわらかくて安定した自然光が得られやすいですが、午後になると逆光になったり、夕方には日差しが強すぎたりする場合があります。
天候によっても明るさは大きく左右されるため、予備日や照明機材を用意しておくのもリスクヘッジの一つです。また、複数人の対談などで長時間にわたる撮影になる際には、光の推移を見越した構図や角度の設計も重要です。
インタビュー撮影を成功させるには
この記事では、インタビューや対談の撮影を自社で行うためのノウハウを細かく紹介してきました。事前準備、機材の選定、構図やライティングの工夫など、多くのポイントを押さえる必要があります。
実際にやってみると「意外と時間がかかる」「仕上がりに納得がいかない」と感じる方も少なくないでしょう。特に撮影後の編集や写真の選定は、慣れていなければ時間も手間もかかります。課題を感じたときは、撮影のプロに相談するのも有効な選択肢です。
スタジオウーフーでは、インタビューや対談写真の実績をそろえたプロのカメラマンが全国に在籍しており、機材・撮影・編集まで一括で対応可能です。地域によっては交通費を抑えて手配できるのも大きなメリットです。
「記事にふさわしい写真が欲しい」「自然な表情を引き出したい」といった悩みをお持ちなら、ぜひ一度ご相談ください。