ストーリー
2025.10.20
好きが仕事を生む!カレー好きの橋本がどうしても『抗えない』ものは?

「好き」という気持ちは、仕事にも人生にも、彩りを与えてくれるもの。
何気ない会話の中でその人の「好き」を知ると、ふっと心の距離が近づいて、その人らしさが見えてくることがあります。
今回お話を伺ったのは、 編集企画チームのリーダー・橋本さん。
私もウーフーの仕事に携わるようになってから、数々の案件でご一緒してきました。クライアント、クリエイター、そしてチームの仲間にも、誠実で穏やかなまなざしを向ける橋本さん。
その柔らかさの奥にある芯の強さや、仕事への情熱には、私自身も何度も胸が熱くなりました。今回は、そんな橋本さんの「どうしても抗えない好き」を伺い、その素顔や想いをお届けします。

編集企画
編集企画チーム/リーダー
橋本茜
1992年、大分生まれ。大学在学中に編集の仕事に憧れ、ブランディング会社で経験を積む。その後、現場のディレクションを学ぶために上京し、女性マーケティングを主軸とした編集プロダクションに勤務。アパレルを中心にカタログ制作やファッション誌の企画、撮影や誌面のディレクションを経験した。紙媒体だけでなく、Web業界での経験や知見も深めるため、2021年に株式会社アンドストーリー/株式会社スタジオ・ウーフーに入社。これまでの経験を活かし、編集ディレクターとして多種多様なコンテンツ制作に従事しつつ、チームマネジメントも手がける。
「好き」がつなぐ、人と仕事。編集の道を選んだ理由

東京でアパレル系のカタログやファッション誌の編集を手がけていた橋本茜さん。
2021年、コロナ禍をきっかけに地元・福岡へUターンし、スタジオウーフーに入社しました。
現在は編集企画チームのリーダーとして、11名のメンバーをまとめながら、クライアント案件から自社メディアまで幅広く手がけています。
ー 東京で働いていたんですね。
以前は東京で働いていましたが、コロナ禍などがあり「ちょっと福岡に帰りたいな」という気持ちが出てきました。
当時、アパレル系のカタログや雑誌の企画、ファッション誌などの編集をやっていたのですが、どうしてもそういった現場の仕事は東京がメインで。東京にいると、いろんなお仕事や人と関わる機会があって、それはとても刺激的でした。
ですが、仕事のやり方も多様化していって。以前は「東京のほうがいろんなことができる」と思っていたのですが、コロナ禍で働き方が変わっていく中で「環境としては、福岡のほうが好きだな」と…。
仕事と暮らしのバランスを考えたときに、Uターンしたいと思うようになりました。
ー 編集者になるまでの歩みを教えてください。
大学のときに「編集の仕事をしたいな」と思ったのが、この道に進んだきっかけです。でも、新卒でそういった仕事は、福岡にはなかなかなくて。中途採用ならあると思って、福岡の会社をいろいろ探して電話をしたんですけど、最初は断られて(笑)
でも、ある会社に応募の電話をした際にたまたま社長さんがいらっしゃって、直接想いをお話ししたのがきっかけで、大学生のときにアルバイトのような形で編集の仕事を始めました。
その会社では専門学校のパンフレット制作をしていて、情報系や建築、美容、ファッションなど、いろんな分野がありました。 その中でいちばんワクワクしたのが美容やファッション系。 ビジュアルや撮影にこだわって作れるのが楽しくて、「こっちの方向に進みたいな」と思ったんです。
ですが、福岡ではそういう会社がなかなか見つからず「じゃあ、東京に行こう」と決意しました。
そんな中、 研修を受けていた時に「いちばん(制作が)大変なのは、カタログだよ」と教えてもらい… カタログはビジュアルにもこだわらなければいけませんが、売るものでもあるので。 見せ方と伝え方、両方の視点が必要で、そこが面白いなと思いカタログ制作をする会社に入りました。
ー ウーフーに入社されたのは2021年ですよね。きっかけは何だったのでしょうか。
ちょうどコロナ禍で、これからの働き方や生き方を考えていた時期でした。それで、地元の福岡に戻ることを決めたんです。
同時に「デジタルの時代に、紙の感性をどう生かしていくか」を考えていて…。ウーフーはその両方を実現できる環境だと感じました。紙媒体での経験を生かしながら、新しい挑戦ができる場所だなと。
ー お好きだった美容やファッションの道もあったかと思いますが、なぜ編集を選ばれたのですか。
そうですね。たぶん組み合わせることや、背景を考えることが好きなんだと思います。街中でチラシとかポスターを見たときに、「なんでこのコピーにしたんだろう」とか考えちゃうタイプで(笑)
製品を直接「つくる」というよりも、その「見せ方や伝え方」の部分に興味があって、0から企画したり、全体をどう見せるかを考えるのが好きなんです。
ー 入社当初は、ライターやデザイナーなど外部のクリエイターとのやり取りも多かったのでしょうか。
そうですね。入社したばかりの頃は、クリエイターさんを探すことに力を入れていました。
ライターさんの情報やプロフィール、これまでの記事をたくさん読んで、「この人に依頼したい」と思う方をリストにしてまとめていたんです。
ー その頃に、私のことを見つけてくださったんですよね。
はい。「依頼したい」と思う方を、コメントを添えてまとめていたリストの中に、伊野さんがいらっしゃって、プロフィールや記事を見て「素敵だな」と思いました。
ちょうどその頃、SEOとは違う表現を必要としたコラム案件があったんですよね。伊野さんは、言葉の使い方が素敵だなと感じていたので、直感的に「合うかも」と思いました。
個人的にも、いつかぜひ依頼したいと思っていたので、 案件の内容とタイミングが重なり、ご相談させていただいたのが最初のきっかけです。
言語化できない選定基準。大切なことは日々学びながら
ライターである私にとっても、橋本さんとの出会いは仕事の幅を大きく広げるターニングポイントに。 そこから今まで、橋本さんの印象は仕事へのスタンスも、お人柄も、いい意味でずっと変わらず信頼できる方だと感じています。
そんな橋本さんは、どのような判断基準でクリエイターに仕事を依頼されているのか、お聞きしました。
ー ライターやクリエイターに仕事をお願いする際の判断基準はありますか。
過去の実績やプロフィールはもちろんなのですが、「どういうお仕事をしたいですか」とお聞きすることも大切にしています。
連絡を取るきっかけでそういう話をしてみたり、ポートフォリオをいただいたり…。それで、こういう案件がやりたいんだなとか、合っているんだなというのを、ちょっと頭の片隅に入れておいて、 そういうお仕事が来たときに相談してみる、といった感じです。
弊社はBtoBが多いのですが、お客様の理念だったり、考え方だったりとちょっと似てるなとか、近いなといった相性も、大事にしているかもしれないです。
ー 過去の案件で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
入社当初、ライターさんやクリエイターさんへの依頼は試行錯誤で、失敗したと感じたこともありました。専門領域の案件が多いので、すごくニッチなテーマを扱うときに、お客様から「この領域に詳しい人にお願いしたい」というオーダーをいただくことも多いです。
けれど、 資格や経歴など、表面的なところだけで判断してしまうと、実際に書いてもらったときに少し齟齬が生まれてしまうこともあるんです。そういったことが、入社したての頃は結構ありましたね。
だから、お客様からの要望ももちろん大事ですが、それよりも「どういう記事にしたいか」というのを大切にしています。 専門領域といっても、必要な情報や知識をこちらでフォローしたり、調べてもらったりして書ける内容もあると思うので。
そこまで専門知識にこだわらなくても、文章がいいとか、お客様の思いをちゃんと汲めるとか、そちらが大事な案件もあるなと感じています。そういう言語化が難しい判断を、やりながら学んでいった感じです。
抗えない「好き」ー150皿のカレーに導かれて
ここからは、編集という仕事に真摯に向き合う橋本さんの、素顔に迫ります。
橋本さんの、どうしても抗えないものは「カレー」。
グルメ専用のフォルダには、150枚以上のカレー写真が並び、眺めているだけで笑顔になれるのだとか。まさに、橋本さんだけのスペシャルなカレーアーカイブです。
ー カレーを好きになったきっかけは、何だったのでしょう。
東京にいた頃、下北沢の南インドカレー屋さんにふらっと入ったんです。 何も考えず入ったのに、あまりの美味しさと彩りに衝撃を受けて。
そこから「カレーの概念」が変わりました。南インド、ネパール、スリランカ…
それぞれの地域の味や見た目の違いも楽しくて、気づけば毎週末カレー巡りをしていました。 福岡に戻った今も、スリランカカレーを中心に、食べ歩きを続けています。
ー ずばり、「カレーの魅力」は何でしょうか。
お店ごとに、盛り付けやスパイスの配合が全然違うことです。 どうしてこのピクルスをこの位置に置いてるんだろうとか、レイアウトの違いを見るのも楽しい。
編集の仕事と少し似ているかもしれませんね。
ー カレーをきっかけに、行ったことのない町へ足を延ばすこともあるそうですね。
はい。カレーを食べるという「好き」な趣味があると、知らない街にも安心して飛び込めるんですよね。実は 友達を誘う口実にもなっていて、「この人にはこのカレー!」と勧めるのも楽しいです。
まさに、カレーのソムリエのように…!
仕事でも「この案件にはこのライターさん」とマッチングを考えるのと、どこか重なります。「食べたいカレーがあるから、知らない街にも行く」その行動力が、世界を広げてくれました。





「好き」が、日常と仕事の好奇心を掻き立てる

橋本さんは、「好き」をきっかけに日常と仕事の領域を広げてきました。
新しい味、新しい人、新しい場所。未知を怖がらずに「まずやってみよう」と踏み出すタイプ!
その好奇心や、柔軟性の源もお聞きしました。
ー 橋本さんの好奇心や柔軟性は、どのようなことが源になっていますか。
「食わず嫌いはもったいない!」という気持ちかもしれません。
例えば、カレーに見たことのない色の野菜が添えてあっても、まず知りたい、食べてみたいと思う。知りたい、やってみたいという気持ちは、仕事でも同じです。
ー それは、ウーフーでのチーム作りにも生かされているのでしょうか。
そうですね。「固定観念にとらわれず、相手の考えを否定しない」それは、チーム作りにも生かされています。
リモートメンバーが多いウーフーでは、毎朝の朝礼で小さな気づきを共有して、互いの意見を尊重し合う時間を大切にしているんです。
「相手を否定しない」というのはチーム全体で共通して大切にしています。 みんながお互いを尊重しているから、安心して意見を言える。
そんな環境があるからこそ、ウーフーには「誠実・素直・感謝・勤勉」というクレドが息づいているんです。
ー それは、お客様やパートナーとの関係性にもつながりそうですね。
そうですね。ウーフーは「人を軸にしている会社」だと思います。
お客様のことも、クリエイターさんのことも、チームのことも大切にできる人が集まっていると感じています。
やっぱり一番大事なのは、「お客様のことを好きになって、きちんと向き合えるかどうか」 取材以外では、クリエイターさんが直接お客様と関わる機会が少ない分、私たちがその思いや背景をしっかり汲み取って、できる限り伝えるようにしています。
その思いを受け取って、誠実に向き合ってくださるクリエイターさんが本当に多くて、いつもありがたいです。
いつか「自分のクレジットが載るメディア」を創りたい

お客様もクリエイターも「対等なパートナー」として関係を築く姿勢は、橋本さんの言葉や姿勢からも伝わってきます。
ー これからの目標と、読者の方へのメッセージをお願いします。
いつか、自分の名前がクレジットに載るようなメディアを創りたいですね。
家族や友達の会話の中で、「あの記事、面白かったね」って話題に出たとき、「それ、私が作ったんだよ」って言えるようになりたいです。
「好き」は、無理して仕事に生かすものじゃない、でも、 夢中で楽しんでいたら自然と仕事にもつながっている。だからこそ、好きなことはちゃんと口に出して、発信していいと思います。
それが、誰かとの「出会い」につながることもありますから。
ー 最後に、橋本さんを一言で表すと?
うーん……難しいですね(笑)でも、同僚から「自由なチャレンジャー」といわれたことがあります。
一言で表すのは難しいですが、仕事でもプライベートでも「これ、やってみたい」「知りたい」と思ったことに素直に向き合うようにしているところかもしれません。
そうやって自分の「好き」を大切にしてきたことが、気づいたら今の仕事にもつながってきたんだと思います。
取材後記
取材を終えて改めて感じたのは、橋本さんをはじめ、ウーフーという会社が「人」を何よりも大切にしているということでした。
クライアントもクリエイターも、そしてチームの仲間も、「よいものを創る」メンバーとして偏ることなく尊重している。
実際にお仕事をご一緒してきた中でも、「指示して終わり」ではなく、「相談」というスタンスで、丁寧にコミュニケーションを取りながら案件をブラッシュアップしていく姿勢がとても印象的です。
橋本さんの「食わず嫌いはもったいない」という言葉にあるように、あらゆる仕事の根底には、その柔軟な好奇心と誠実なまなざしが息づいています。
取材を通して、そんなスタジオウーフーの「パッション」を強く感じました。