役立ち情報コラム

2025.9.11

相手に伝わる取材企画書の書き方【参考テンプレート付き】

取材対象者に依頼をするための資料を「取材企画書」と呼びます。取材企画書の完成度によって承諾率が大きく変わるため、ポイントを抑えて作成する必要があります。

本記事では、取材企画書の作成方法や記載するべき内容、質問例、テンプレートを紹介します。取材候補者が取材を受けたくなるような、わかりやすい取材企画書の作成を目指しましょう。

なお、スタジオウーフーでは、専門分野ごとのライターをはじめ、日本全国のカメラマン・編集者が在籍。取材、撮影、編集、校正・校閲までを一括で対応可能です。高品質なインタビュー記事を安定的に制作したい企業さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

取材企画書とは?

取材企画書とは、取材候補者に取材のアポイントを取るために送る資料のことです。取材企画書を見て、取材対象者は取材を受けるかどうか判断します。

取材対象者に取材を前向きに検討してもらうためには、取材の目的や媒体の概要、質問内容、スケジュールなどを明記し、事前に共有することが欠かせません。

取材企画書の6つの要素【テンプレート付き】

取材対象者は、取材企画書を見て取材を受けるかどうかを判断します。そのため、必要な情報を簡潔にわかりやすく伝えなくてはいけません。以下の6つの項目を忘れずに記載するようにしましょう。

①掲載メディアの概要

取材企画書にまず記載すべきなのが、掲載メディアの概要です。以下の項目を記載しておきましょう。

・メディアの名称
・コンセプト
・ターゲット
・URL

掲載メディアのコンセプトやターゲットを事前に共有しておくことで、取材対象者が自分が取材されるにふさわしいかどうか判断がつきます。

また、取材を受けると決めた後も、どのようなスタンスで取材に望むべきか判断がつきやすくなります。回答内容の深さや言葉選びに大きく影響するため、取材をスムーズに進めるために重要です。

特に、オウンドメディアや採用広報のための取材の場合、企業のブランドイメージやコンセプトとの齟齬がないようにするためにも、必ず記載しておきましょう。

②取材・企画の概要

取材の目的や背景、記事のテーマ、その取材対象者を選んだ理由をわかりやすく記載しましょう。

「新サービス開発の経緯を読者に伝える」「地域活性化の取り組みを紹介する」など、記事を通じて伝えたいメッセージを具体的に記載しておくことで、先方が取材意図を理解しやすくなり、取材の承諾率が上がります。

取材対象者を選んだ理由を記載する際には、熱意を込めましょう。他の取材企画書との差別化ができます。

また、オンラインとオフラインどちらでの取材を希望するか、所要時間がどのくらいかも合わせて記載しましょう。

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③取材の質問項目

取材当日の質問項目もあらかじめ共有しておきましょう。質問項目は、取材を受けるかどうかの重要な判断材料になります。

さらに、取材を承諾した後に対象者が事前準備しやすくなり、取材がスムーズに進む可能性が高くなるメリットもあります。

また、質問項目に対して「回答を控えたい質問があれば、教えてほしい」「事前回答は不要」「当日は質問項目以外の質問する可能性もある」という旨を記載しておくと、取材対象者に配慮をしている態度が伝わります。

④謝礼金の詳細

取材に協力していただくお礼として謝礼金を用意する場合、その金額や支払い方法を明示しておきます。謝礼金の支払いがない場合も、きちんとその旨を記載しておきましょう。

⑤撮影の有無

撮影の有無も明記しておきましょう。撮影がある場合はあらかじめ記載しておくことで、取材対象者が服装や会場準備に困らずに済みます。

・撮影の有無
・撮影内容(ポートレート/インタビュー風景など)
・撮影時間の目安
・カメラマンの同行有無

また、企業のオフィスや施設内を撮影する際には、社内規定やセキュリティ面の確認も必要になります。

>>インタビューや対談の写真撮影のコツを詳しく見る
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⑥掲載までの流れ

取材が完了してから掲載までの流れも記載しておきます。取材後には原稿確認や写真の提供など、取材対象者が対応すべき作業が残っています。スケジュールがわからないと不安感・不信感につながるため、以下を示すと良いでしょう。

・初稿提出までのおおよその日数
・取材対象者による初稿確認の有無と期限
・掲載予定日

取材の企画立案をする方法

取材の企画書を作成する前に、その取材をする必要性をじっくりと練る必要があります。

以下の手順で取材の企画を立案しましょう。

ターゲットを定める

まずは取材の目的に合わせて、誰を取材対象者とするのかを決めましょう。メディアの特性にあった、読者にとって価値のある情報を提供できる人物を選定することが重要です。

概要をまとめる

続いて、取材企画書を作成する前に、まずは自分の中で取材の背景や目的、記事のテーマを整理しておきましょう。その際には、取材対象者の経歴や過去の発言、関連する記事をリサーチして、どのような切り口なら有益な情報を引き出せるかを検討します。

あわせて、掲載メディアのコンセプトや読者層を分析し、読者にとって価値があるテーマ設定になっているかを確認することも重要です。

取材依頼をする

企画の方向性が固まり取材企画書が完成したら、取材対象者へ依頼を行います。企業や団体によっては、取材依頼の方法をホームページの問い合わせフォームや専用窓口からと指定している場合もあります。

失礼にならないためにも、事前に取材依頼の方法を確認してから取材企画書を送るのが大切です。関係性が薄い場合は、取材対象者にいきなりメールや電話で連絡するのは避けましょう。

取材企画書を作成するポイント

取材企画書は、単なるスケジュール表や質問リストではなく、取材対象者に「協力する意義」を感じてもらい、安心して取材に臨んでもらうための重要な資料です。

以下の2つのポイントを抑えて、取材をする熱意を伝えましょう。

インタビュー実施の意義を伝える

取材企画書には、単に取材の概要やスケジュールを記載するだけでなく、「なぜインタビューを行うのか」という意義を盛り込むことが重要です。企画段階で目的を明確化することで、取材対象者が協力する理由を理解しやすくなり、より前向きに取材へ臨んでもらえます。

目的が共有されることで、取材対象者も自分の発言が会社や社会にどう役立つのかを実感でき、より率直かつ深みのある回答が得られる可能性が高まります。

さらに、インタビュー実施の意義を企画書に明記しておくことは、編集部やクライアントとの認識共有にも役立ちます。記事のターゲットや、提供できる価値を明らかにすることで、取材準備から記事制作まで一貫した方向性を維持できるのです。

取材対象者へのメリットを提示する

取材企画書では、記事の目的を示すだけでなく、取材対象者にとってのメリットも明確に伝えることが大切です。

例えば、「自社の取り組みや強みを広く発信できる」「専門的な知見を業界に共有できる」「採用活動やブランディングに寄与する」といった利点を具体的に示すことで、取材協力の意欲を高められます。

特に経営者や広報担当者にとっては、記事掲載は信頼性の高い情報発信の場となり、社外への認知拡大につながります。

さらに、専門家や技術者にとっても、自らの研究成果や経験を客観的な記事として記録・公開できることは、自身の専門分野における存在感を高める大きなチャンスになります。

事前準備を徹底する

取材企画書を充実させるためには、対象者や業界に関する事前調査が欠かせません。過去のインタビュー記事や公式サイト、SNSなどをもれなく確認しましょう。

事前準備を徹底することで、企画書の説得力が増し、取材依頼の承諾率アップや当日のスムーズな進行につながります。

効果的な取材インタビューの質問とは?【参考テンプレート付き】

効果的な質問は、掲載するメディアや業界の特性、記事の目的、取材対象者などによって大きく異なります。

以下に、一般的によく質問される項目の参考テンプレートを記載します。

あくまで上記は一例です。取材対象者に合わせて内容をカスタマイズしましょう。

以下のような内容を質問を用意すると、「取材対応の甲斐がある」と感じてもらえる可能性が高くなります。

効果的な取材インタビューの質問とは?

専門性のある質問

専門性の高い質問をすることによって取材対象者が「取材を受ける意義」を感じやすくなり、承諾率が上がる場合があります。ただし、メディアによって、どの程度専門性を深掘りするかは異なります。

取材対象者の専門性を尊重しつつ、読者層に合わせて質問のレベルを調整しましょう。

独自性のある質問

取材対象者の過去の発言や実績、直近の取り組みを踏まえて一歩掘り下げた独自性のある質問を用意するようにしましょう。

特に、取材を多く受けた経験のある方ほど、今までにない視点・切り口での質問があると効果的です。取材対象者が新鮮さを感じ、取材に応じてくれる可能性が高くなります。

対象の特徴をとらえた質問

取材対象者の経歴や過去のインタビュー記事を調査し、特徴を踏まえたうえで質問をすると、よりリアルな経験や具体的なエピソードを引き出せます。

事前にしっかりと調べてきたことが伝わると、取材対象者は「きちんと理解してくれている」と感じます。その結果、取材の承諾率が上がるほか、取材の場では、そこでしか得られない深い話や本音を語ってもらえる可能性が高まります。

手間のかかる「取材企画書の作成」はプロにお任せ

取材対象者から取材の許可をもらうためには、端的でわかりやすく、かつ熱意の込もった取材企画書を作成しなければなりません。「このメディアの取材なら対応したい」と取材対象者が思ってくれるような細かい気配り・工夫が必要です。

しかし、その作成・準備のためには多くの工数がかかります。

スタジオウーフーには、各分野に精通した、取材企画書の作成の経験が豊富なディレクターが所属しています。分野・業界のポイントを抑えた取材企画書の作成が可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。